1行広告

                             

作詞/山田博士

           一夫 至急連絡せよ 父、母

 

     一.  まぶたを閉じればいつも お前が手を振る

         幼いままの 姿で

         ぷっくら浮かんだ雲を お前は指さし

         象さんのようだと 言った

            いつまでも この幸せが

            続くようにと 父さんは祈った

            いつまでも この3本の

            影が離れずにと 母さんは願った

 

  
  
     二.  中学時代の終わり お前は突然

         二階の部屋に こもった

         あれほど笑顔をみせて お前はいたのに

         憎しみが瞳に にじむ

            庭の木が 黄色くなった

            朝にお前は いきなり出てゆく

            母さんを 振り切りながら

            赤いリュックを背に この家を出てゆく

 

  
  
     三.  息子よいったい何が お前の心に

         忍び込んだの だろうか

         あれから母さんついに 寝込んでしまって

         許してとうわごと ばかり

            若い日は 自分の道を

            みんな求めて 旅に出るものだろう

          ※ ただひとつ 母さんだけに

            声を聞かせてくれ ひとことでいいから

               ※繰り返し

  

           一夫 至急連絡せよ 父、母

                          

 

ひとこと

ある新聞の社会面。下のほうにあった1行広告が目をひきました。「一夫、至急連絡せよ。父、母」。一夫君、君の心に何が入ったのだろう。私でよかったら一報くれないか。