昨日(きのう)がほしい

                             

作詞/山田博士

                             

           ※なんにもいらない ほしくない

            一つの言葉も ほしくない

            ちぎれた昨日が ほしい

  
  
      一.  悲しみ 突然 どしゃぶり神戸

          ため息 焼け跡 六甲おろし

          地べたで 指さす 止まった時計

          港が 震えた 世界が割れた

             なんにもいらない ほしくない

             一つの言葉も ほしくない

             ちぎれた昨日が ほしい

 

  
  
 (セリフ)1995年 1月17日 午前5時46分

      阪神地方に直下型大地震が発生 マグニチュード7.2 神戸震度7

  
  
      二.  粉雪(こなゆき) 避難所 一枚毛布

          身震い 寝返り 石油のにおい

          砕(くだ)いた 乾パン 見知らぬ人と

          二人で かじれば 心も濡れる

             なんにもいらない ほしくない

             一つの唄など ほしくない

             はぐれた昨日が ほしい

  
  
      三.  無事です なんとか 生きていますと

          仮設の 電話で 元気なそぶり

          ねじれた レールに 夕日が落ちて

          まぼろし みたいに 時間が揺れる

             なんにもいらない ほしくない

             一つの夢など ほしくない

             小さな昨日が ほしい

              ※繰り返し

 

ひとこと

阪神大震災はまだ終わっていません。自分の上にかぶさった親が、ゆっくりと6時間ほどかけて冷たくなってゆく体験をした子どもたち。9歳のある女の子は、1年たって突然学校に行けなくなりました。