幸せ辞典

                             

作詞/山田博士

                             

     一.  夕日が遠慮なく 窓からのぞきこむ

         小さな私の部屋に 本棚がありました

         いつのまに紛(まぎ)れ込んだか 古びた表紙の

         1冊の本が私に向かって ウィンクしてました

            パラパラパラと頁を繰(く)れば

            幸せ言葉ばかりがあふれる

            悲しい言葉はどこにもない

            思わず微笑(ほほえ)む幸せ辞典

 

     二.  あいうえおの「あ」の場所に 愛した日々がある

         かきくけこの「か」の場所に 輝いた日々がある

         さしすせその「さ」の場所に 桜が咲き乱れ

         たちつてとの「た」の場所に 楽しい日々がある

            遠い昔に忘れた場面が

            私を誘ってワルツを踊る

            本当の自分を思い出して

            思わず微笑む幸せ辞典

 

     三.  なにぬねのの「な」の場所に 懐(なつか)かしい私がいる

         はひふへほの「は」の場所に 華やかな私がいる

         まみむめもの「ま」の場所に まばゆい色浴(あ)びて

         やいゆえよの「や」の場所に 優しい私がいる

            涙ばかりの毎日だから

            涙をぬぐって笑ってみよう

            誰でも心に1冊持っている

            思わず微笑む幸せ辞典

 

            思わず微笑む幸せ辞典

 

 

ひとこと

今月の歌は、「幸せ辞典」。こんな社会です。だれでもいつでも毎日苦しいことだらけ。でも、雨はいつまでも降り続きません。必ず止む日がきます。くよくよなんかしていられませんよね。よく考えると、私たちのこれからの人生の中で、一番若い日がまさに今日なのですね。歌にあるように「涙をぬぐって笑ってみよう」。きっとポケットの中に、幸せ辞典が現われますよ。