21世紀への伝言

  

                             

作詞/山田博士

                             

      一.  明日(あした)にはぐれた こともある

          昨日(きのう)をうらんだ こともある

          どしゃ降りの日も 続いたけれど

          ときにはキラリ 晴れ間も見えた

             チェーホフやミッチェルやプルーストやボーボワールに

             誰でもが酔っていた あのころよ

          さよならさよなら 20世紀の日よ

          初めましてよろしく 21世紀

 

      二.  セピアな色した スクリーンに

          モダンな笑顔が 映ってる

          初めて人が 翼(つばさ)を持って

          初めて歌が 世界をめぐる

             リンドバーグやフォードやマイルスやビートルズに

             誰でもが夢を見た あのころよ

          さよならさよなら 20世紀の日よ

          初めましてよろしく 21世紀

 

      三.  炎(ほのお)にまみれた こともある

          みんなで祈った こともある

          いつでも春に さえずる鳥が

          突然なぜか 黙っていたよ

             アウシュビッツやヒロシマやベトナムや水俣(みなまた)に

             誰でもがうつむいた あのころよ

          さよならさよなら 20世紀の日よ

          初めましてよろしく 21世紀

 

          初めましてよろしく 21世紀

 

ひとこと

いろいろなことがありました。この100年。初めて人類が空を飛び、歌声が世界を一つにし、 そして悲惨な戦火が幾粒もの涙を地上に落とし続けました。20世紀はもうすぐ去っていきます。私たちは何を学んだのでしょうか。まだまだ解決しなければならない問題は山積しています。だけど希望はいつも持ちたい。この「21世紀への伝言」は、私たち自身への伝言でもあります。