コソボの村に雨が降る

  

                             

作詞/山田博士

                             

      一.  バルカンの ふるさとは

          いまごろ 雨の中

          コソボの 村には

          真っ赤な 雨が降る

             父さん母さん 声聴かせてよ

             便り途絶えて 二月(ふたつき)過ぎたよ

          戦(いくさ)は いつでも

          涙の しぶき

 

      二.  バルカンの ふるさとに

          季節は 映らない

          小さな 花にも

          昨日(きのう)の 色はない

             あのころ遊んだ 夕日の丘に

             いまは真白い 十字架の群れよ

          戦は どうして

          いくたび つづく

 

      三.  バルカンの ふるさとも

          いつかは 晴れるだろう

          コソボの 村にも

          歌声 響くだろう

             だけども20世紀 過ぎ去るころに

             人はなんとも 愚かなものだよ

          戦は いつでも

          涙の しぶき

 

          戦は いつでも

          涙の しぶき…

 

 

ひとこと

「人間として信じがたい行為……」。ある総合病院が空爆で破壊されたときの看護婦の言葉です。その産婦人科病棟では、攻撃のわずか10分前に出産があったとのこと。NATO(北大西洋条約機構)がユーゴへの空爆に踏み切って約2か月。誤爆という名の市民への攻撃も続いています。20世紀が終わるいま、信じられない事態に、コソボの子どもたちの顔を思い浮かべる毎日です。