君の明日(あした)へ手紙を書こう

                             

     作詞/山田博士

                        

       一.  君の明日(あした)へ 手紙を書こう

           はぐれぬように 書留にして

           この世で初めて みなまた病だと 

           指(さ)されたあの日の 少女のことを

  

       二.  君の明日へ 届けておこう

           こわれぬように 缶詰にして

           夕焼け色した みなまたの町

           8年生きてた 少女のことを

 

       三.  君の明日へ 歌ってゆこう

           消えないように 声高にして

           タレ流されてた 見えない毒を

           体で示した 少女のことを

 

       四.  君やぼくらが 本当のところ

           少女を殺し 明日(あした)を泣かす

           厚着を重ねる ぼくらの暮らし

           少女を奪った ぼくらの暮らし

 

           田中静子ちゃん 田中静子ちゃん……

       

ひとこと

忘れていませんか。今年も5月がめぐってきました。1956年5月1日、熊本県で一人の少女が、最初に水俣病と言う名前に。「痛い痛い、お母さんお母さん」と叫び続けながら3年後に亡くなった田中静子ちゃん。チッソ水俣工場で、塩ビの原料である塩ビモノマーを作るとき、触媒として猛毒な水銀が使われたのです。塩ビを毎日大量に使う私たち自身が、加害者であり続ける社会。君の明日へ手紙を書き続けてほしい。