じゅんくん、さよなら」 

  

                             

   作詞/山田博士

                             

          一  ぼくはその日 おじいちゃんの

             家に向かって 歩いてたんだ

             そこへいつもの お兄ちゃんが

            「淳くんおいでよ 亀さんみせよう」

          

          二  ぼくはちっちゃな 生きもの好きで

             思わず足を 止めてしまった

            「本当亀さん みせてくれるの

             どこへいったら 会えるの教えて」

            

          三  ぼくは山を のぼっていった

             二人並んで のぼっていった

             いつも遊ぶ タンク山を

             心浮き浮き のぼっていった

 

          四  ぼくはお兄 ちゃんにたずねた

            「早くみせてよ 亀さんみせてよ」

             そのときのどが 苦しくなって

             わけも分からず 意識が途絶えた

 

          五  ぼくは天に のぼっていった

             ゆっくりゆっくり のぼっていった

             11歳の 人生置いて

             パパとママに さよなら言えずに

 

          六  みんなさよなら 元気でいてね

             ぼくのぶんまで いっぱい生きてね

             ぼくももいちど 生まれかわれば

             パパとママの 子どもになりたい

 

             パパとママの 子どもになりたい

 

ひとこと

つらい事件でした。やりきれない事実でした。犯人が分かったその日、私は東京の地下鉄に乗っていましたが、車内の人たちはみんな下を向いてジッと何ごとかにこらえている気がしたほどです。神戸の小学6年生淳くんが殺されて、頭部が中学校の正門前に置かれた事件(97.6)。犯人が顔見知りの中学3年生の男子だったとは。淳くん、天国から私たちの姿はどうみえますか。