どう)    こく

                             

   作詞/山田博士

                             

           一  この胸に ふるさとが

              激しく 突き刺さる

              いくさで 切られた

              心に 風が吹く

            ※ 父さん母さん 声聴かせてよ

              海を飛んでく 翼がほしいよ

              はぐれた 祖国も

              いまでは 憎いよ

          

           二  会いたいよ ふるさとよ

              だれでも 夢にある

              まぶたに 聴こえる

              遠い日 わらべ唄

              からだくだいて 時間が過ぎる

              ここで死ねよと 言うことでしょうか

              命の 祖国に

              それでも 会いたい

            

           三  人ならば 花ならば

              いつでも 春を待つ

              凍てつく 大地に

              明日あしたの 音がする

              母があのよる ナイフでつけた

              腕の傷あと 私のしるしよ

              かすれた 祖国が

              にじんで 揺れるよ

                 ※繰り返し

 

ひとこと

残留孤児−−。なんと悲しい言葉の響きでしょうか。戦後半世紀もたった平成の世の中で、中国大陸にはまだこの日本を焦がれてまっている多くの日本人がいるのです。私たちはともすれば忘れがちですが、この人たちの犠牲の上にいまの“平和な社会”があることをもっと知ってほしい。来日した残留孤児たちのもってきた手がかりの品は、半世紀前そのものの「慟哭」でした。