教育家庭新聞

−2003年11月15日(土)−


 

子どもの心と体の健康

五感を働かせ本物の食を取り戻そう

愛情のある食事を与え 子どもの優しい心を育む

 約30年前に出来たコンビニエンスストアは、今や全国に5万店。手軽で便利、しかも終夜営業とあれば、若者でなくともつい足が向きます。ところが今、『脱コンビニ食!』(平凡社新書)という本が、大学生にも読まれています。今回はその著者で「山田博士(ひろし)いのち研究所」主宰、「日本危機管理学会」会員の山田博士さんに、「コンビニ食」の問題点を5項目に分けて伺いました。(注・・「コンビニ食」とは、スーパー、ファミレス、ファストフードなどの食べ物も含む) 〈報告=藤田翠〉

生命のある大切な3つの食べ物が不足している

【無生命食を考える】
 
一 著書にある無生命食とはどういう意味でしょう?
 たとえばライオンは、すぐ前を走っている動物の肉を、キリンは生えている草を、ヘビは命の宿った有精卵だけを食べます。動物は本能的に「生命が宿っているもの」を食べているのです。ところがコンビニ食は無精卵をはじめ、命が宿っていないものばかり。
 生命のある大切な3つのもの、豆類、青菜、未精製穀物(水を与えれば芽が出ます)が不足しています。
 
一 どうすれば命のある食べ物が得られるのですか?
 だれでもが自分で包丁を持つこと、簡単でもいいから自分で料理する習慣を持つことをお勧めします。そうすれば、少し前まで命が宿っていたものを素早く食べることができるでしょう。

【無国籍食を考える】
 
一 国籍のない食べ物とは?
 和食風のコンビニ弁当には、さと芋の煮ころがしやほうれん草のおひたしなどが入っていますが、これは本当に「和食」なのでしょうか。さと芋、玉ねぎはフィリピンから、ごぼう、にんじんは中国から、ブロッコリー、レタスは米国などから輸入していて、お弁当の顔は「和食」でも、その体は「万国旗」がはためいています。
 
一 よその国の産物は食べてはいけんせんか?
 私たちが生命を持っている存在である限り、食に対しての大原則があると思います。
 まず「今暮らすこの大地で穫れたものを食べなければいけない」こと、そして「自分のこの腕力で穫れたものを食べなければいけない」ことです。この原則を崩せば、明日の命の保証は大きく揺らぐでしょう。「和食」とは、日本の大地で穫れた食べ物ということが大前提だと思います。
 
一 今は「グローバル化」といわれ、世界中の食べ物が日本に入ってきますが。
 その意味は、アメリカのような農業に強い国が農作物を他国に押しつけるために、立場の弱い日本などに対して農薬や添加物などの残留規制値を下げるよう迫っているということです。輸入時の基準が緩み、遺伝子組み換え作物なども多く入るようになりました。
 ところがEUは、アメリカからの遺伝子組み換え大豆の輸入を、この7年間で半減させています。安全性に問題があるからなのです。日本だけが特異ですね。

【無愛情食を考える】
 
一 孤食、欠食が増えているそうですね。
 高知大学のある調査によれば、高校生男子の36%は朝食を食べず、中高生の20%は夕食を1人で食べたそうです。
 一方、米国のテネシー州立大学で実施された300人の学生調査によると、「いまの自分に自信がある」と答えた学生の80%は、「子ども時代に夕食を家族と一緒に食べ、会話していた」となっており、「消極的で恥ずかしがり屋」と答えた学生は、そのようにしていたのは36%にとどまりました。
 このことからも、「家族と一緒に食べるかどうか」は、非常に大切なことだといえるのではないでしょうか。
 食については、とかくその安全性ばかりが議論されがちです。でも幼かった頃、台所から聞こえてくる軽やかな包丁の音や、煮物の匂いに心を躍らせたように、料理ができるまでの時をどれだけ皆で共有するか、誰と食を共有するかなど、「愛情から眺めた大事な視点」を忘れないでほしいと思います。
 それらは子どもたちの心に一生、優しい思想を育てることにつながるからです。

【無重量食を考える】
 
一 コンビニ店は、1人用のプラスチックや紙容器に小分けされた商品がいっぱいですね。
 賞味期限切れで処分される弁当の量だけでも、集めれば巨大なゴミの塊が生まれます。実は全世界のゴミ焼却炉のなんと75%が日本にあります(公の焼却炉が5900基、民間の簡易焼却炉などは万単位)。一方、人口8000万人のドイツでは、公の焼却炉が50基あるだけです。なぜなら、ドイツでは約5000種の商品に環境マークがつき、市民はこれを目安に買い物をするので、企業はこのマークを得るために努力して、プラスチックなどの「環境を傷つけ、ゴミを増やす商品」は、作らないのです。
 
一 食べ物容器や包装にも、プラスチック類が使われているのが気になります。
 プラスチックは清潔な感じがして使われるのでしょうが、食品に触れたプラスチックのフィルムやラミネートのフィルム(いわゆるラップ)は、カビだらけだったことが明らかになっています。
 食べ物をプラスチックで包装して酸素と遮断することで、かえって食べ物の中の微生物が広がることもあります(1984年に九州で起きた、からしレンコンによる11人死亡の食中毒事件など)。
 
一 この状況にはどう対応したらいいのでしょう?
 「環境にマイナスになるから」などとたいそうなことを言う前に、食器のズシリとするあの重さや、なでたくなるような感触、瀬戸物の匂い、食べ物の自然な香り、そうした食生活がこれまでずっと、私たちの五感を豊かにしてくれていたと思います。
 ですから、味覚、触覚、嗅覚を働かせて食を見直せば、おのずと何が一番「ほんもの」かが見えてくるでしょう。

【無感動食を考える】
 一 子どもの荒れと食事には関係があるそうですね。
 イギリスでは90年代半ばに子どもたちが荒れ、いじめによる自殺が相次ぎました。
 小児病院による素早い食事調査と食事療法が行われて、81%の子どもの喘息、花粉症、偏頭痛が快方に向かいました。
 その上、「タール色素」という合成着色物質と、「安息香酸」という合成保存物質などが、心や行動を荒れさせる大きな原因だったことがわかりました。
 
一 山田さんは、特に問題のある5つの物質(表参照)について、多くの食品企業や病院、学校などの代表者に対し、質問書を出したそうですね。
 発送したのは約370件、内容は「これこれの問題があるのに、まだこれを使うのですか?」というようなものです。いくつかの項目を優しく(?)尋ねる設問内容で、その回答にコメントをつけ、100点満点の点数にして公表しました(その結果を近く出版)。
 それがきっかけなのかどうかわかりませんが、問題の物質をかなり使わなくした食品企業もあるようです。
 
一 どうもありがとうございました。

 山田博士いのち研究所 = 03・3589・2658 
 ホームページURL http://yamadainochi.com/index.html

【これだけは知ろう!心と体を荒らすコンビニ食の5物質】

1.タール色素(合成着色物質)
 アトピーと花粉症の人は要注意。特に「黄色4号」は強力。日本では発ガン性が疑われた12種を禁止、現在は12種類。75年アメリカで子どもたちが荒れた原因と判明。北欧では禁止の国も。

2.安息香酸(保存物質)
 喘息の人には禁物。清涼飲料水や寿司用小パックしょうゆ、健康ドリンクなどに使用。タール色素と共に体内に入ると、心と体がより過激行動になる。

3.亜硝酸塩(発色物質)
 ハムやソーセージに使用。体内で喘息症状を起こす物質を作るので、花粉症や喘息が悪化する。食べ合わせにより、強酸性の胃の中で強力な発ガン物質を作る。

4.BHA・BHT(酸化防止物質)
 体内に入ると行動が過激になる。環境ホルモン作用もあり、現在、日本ではパーム原料油だけに使用。パーム油はファストフード店での調理用油として使われる。

5.MSG、核酸系調味料
 ともに化学調味料のこと。化学調味料のうま味成分のMSGと、核酸系調味料などを混ぜて使うときは、「調味料(アミノ酸等)」と表記される。MSGは環境ホルモンの疑いも出ており、味覚を壊したり、脳に発作波を起こしたりする作用がある。

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