この簡単レシピで 君は“健康長者”になれる
子どもに贈るいのちの料理法
山田博士いのち研究所・主宰 山田博士
断言します。「書を捨てよ、包丁を持とう!」。21世紀のきびしい社会を生き残る唯一の道。それは、自分のいのちを守る技術、包丁を持つ技術を持つということです。
子どもたちに、いのちをいとおしむ「いのちの料理法」を伝えようと、2003年4月、ぼくは東京の自由が丘に自然派「子ども板前」養成塾を開講しました。希望人数がそろえばいつでも開講します。ここでは、巷(ちまた)にあふれている「料理教室の常識のウソ」をお話しているのですが、発ガン性を生む食べ合わせや、簡単に安全な水を作る方法、ナベなどの調理器具の恐怖、栄養素を壊さない調理法など、目からウロコの内容です。
しかもレシピは、素早く安く、どうでもいいことは手を抜き、たいせつなことだけ。
ここでは「初段テキスト」にある三つのレシピを、少しだけ紹介しましょうか。
「あっ、簡単! これでお浸しできちゃうの?」「ぼくも包丁持つう!」「ねえ、煮干しのはらわた取るのってかわいそうじゃない?」「ご飯、おかわりい!」。これは子どもたちの声。彼らのからだに一生染み込んでくれるといいなと、ぼくは内心ニタついています。
いのちの主役“豆入りご飯”一
これがあれば、いのちは完璧(かんぺき)に近づきます。
未精製穀物と豆を毎食食べる。こうすればタンパク質がじょうずに、しかも簡単に摂れます。この際、エィッ、思いきって玄米にして下さい。これに小豆や大豆をいっしょに入れればあら不思議、玄米が柔らかくおいしくなります。はじめての人も、「おかわりい!」と叫んでいましたよ。
3合を作る場合、豆0.5カップ、玄米2.5カップ、それに水4カップ強。圧力釜にかけておもりが揺れたら弱火で15分。簡単です。ふつうのナベでもOK。ただしステンレス製のナベで炊いて下さい。
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何度焦がしてもいいじゃないですか。失敗の涙とともにがんばるうまさ、ちょっと塩っぽくて、これもいいもんです。
脳みそをよくする、ほんもののみ〜そ汁一
大豆のレシチンはボケを防ぎます。
記憶もよくします。子どもさんを利口にさせたかったら毎食どうぞ。
昆布、はらわたと頭を取った煮干し、土生姜(しょうが)のみじん切り、しいたけ、小松菜、大根…。まあ野菜の残りかすでOK。一晩汲み置きした水に入れて沸騰したら7〜8分そのままに。発ガン性のトリハロメタンが飛びます。あ、青菜は最後ですよ。ナベじゃなくお椀に味噌を少し入れ、汁を入れます。少しさましてから入れないと味噌の麹菌(こうじきん)が死んでしまいます。
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どうです、うまいでしょう。五臓六腑(ごぞうろっぷ)に染みわたるじゃありませんか。
真っ赤っ赤な血液を作る青菜の“お浸し”一
みなさんの赤い血液は、青菜の葉緑素が作っています。
化学構造式がよく似ているんですね。その青菜をたくさん摂るために、ぼくたちの先祖が考えた発明がこのお浸し。
大きなナベにお湯を沸かし、ホウレンソウなどを少しずつ入れて数秒で引き上げます。ぐらぐら煮れば栄養素がゼロ。その後水につければ水溶性の栄養素がなくなりますので、健康な野菜ならその必要はありません。アクがあるのは悪い土で育ったという証拠。そのままで食べて下さい。
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そのうま味。その甘さ。子どもたちの嬉しそうな顔が、あふれていました。
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