(2003年11月期) |
イニシャルの場合は、姓名の順です。 スーパーストアに買い物に行くと、野菜や果物はパック詰めになり、棚に並べられています。どれを取っても、形、大きさ、色が同じで、製品化された商品です。しかも、夏に白菜、冬にトマトと、野菜や果物の季節、旬がまったくわかりません。 私の住む愛知県稲沢市は昔から植木の産地で、今でも畑や田んぼで生活をされている方が多くいらっしゃいますが、スーパーストアで、地元、愛知県の野菜を見ることはとても少ないのです。ねぎやにんにくは中国産、かぼちゃはニュージーランド産。これらの野菜には、薬品や保存料が使われ、ガソリンなどの輸送エネルギーがかかり、店頭に並ぶのでしょう。 またスーパーストアでは、レトルト食品、加工食品、調味料、スナック菓子などが並んでいます。こんなにたくさん売れるのかしらと思うほどの量です。本当に家庭に包丁やまな板がなくても生活できそうなくらいです。驚くのは、離乳食用の、レトルト食品の種類の豊富さです。お母さんと同じものを食べることのできない赤ちゃんはいったいどう育つのでしょうか。しかも、レトルト食品のラベルには、とてもたくさんの薬品の名前が書き込まれています。こんなにたくさんの薬品が体の中に入っても本当に大丈夫なのでしょうか。しかし、数多くの買い物客のかごの中にはこれらのレトルト食品などがたくさん入っています。 スーパーストアのなかでは、売る人、買う人のコミュニケーションはなく商品の説明をしてもらえそうにはありません。私も、買い物かごに商品を入れレジを通ります。スーパーストアに入ってから、出てくるまで、レジでの支払いの時に「ありがとう」と機械的に言葉を交わすだけです。このような状態で、子どもたちに食べることができるありがたみをどのように伝えて行けばいいのでしょう。 最近よく見聞きする言葉に「食育」があります。子どもたちの問題行動や、生活習慣病の低年齢化が食事と関係があると考えられる様になり、安心安全の食べ物への関心ということでしょうか。私には三歳になる息子がいます。息子に、食事に興味を持たせるため、自然や、作物や、農家の人々に感謝する気持ちを忘れないために、私たち家族は、畑を借りて野菜の栽培を始めました。 私が、食事に本当に気をつけなければいけないと思うようになったのは、きれいな形の野菜は育たないと知ったからです。レース編みのような白菜、形のふぞろいのきゅうり。とても店頭に並べられるものではありません。店頭に並んでいる野菜たちは、どれほどの農薬が使われているのでしょうか。農家の人たちはどれほど私たちの犠牲になっているのでしょうか。そして私たちの住んでいる大地はどれだけの負担を抱えているのでしょう。 このままでは、私は子どもたちにごみ箱のようになってしまった地球を贈らなければなりません。子どもたちのそのまた子どもたちも、安心して生活を送ることができるよう、私たちが気づき、生活を変えてゆかなければならないと考えています。
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