第13回 「脱コンビニ食大賞」発表
(2003年11月期)

 

どうして、地元の野菜がスーパーに並ばないのでしょう

(湯脇佐代、愛知県稲沢市、女性、31歳、主婦)
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 スーパーストアに買い物に行くと、野菜や果物はパック詰めになり、棚に並べられています。どれを取っても、形、大きさ、色が同じで、製品化された商品です。しかも、夏に白菜、冬にトマトと、野菜や果物の季節、旬がまったくわかりません。

 私の住む愛知県稲沢市は昔から植木の産地で、今でも畑や田んぼで生活をされている方が多くいらっしゃいますが、スーパーストアで、地元、愛知県の野菜を見ることはとても少ないのです。ねぎやにんにくは中国産、かぼちゃはニュージーランド産。これらの野菜には、薬品や保存料が使われ、ガソリンなどの輸送エネルギーがかかり、店頭に並ぶのでしょう。

 またスーパーストアでは、レトルト食品、加工食品、調味料、スナック菓子などが並んでいます。こんなにたくさん売れるのかしらと思うほどの量です。本当に家庭に包丁やまな板がなくても生活できそうなくらいです。驚くのは、離乳食用の、レトルト食品の種類の豊富さです。お母さんと同じものを食べることのできない赤ちゃんはいったいどう育つのでしょうか。しかも、レトルト食品のラベルには、とてもたくさんの薬品の名前が書き込まれています。こんなにたくさんの薬品が体の中に入っても本当に大丈夫なのでしょうか。しかし、数多くの買い物客のかごの中にはこれらのレトルト食品などがたくさん入っています。

 スーパーストアのなかでは、売る人、買う人のコミュニケーションはなく商品の説明をしてもらえそうにはありません。私も、買い物かごに商品を入れレジを通ります。スーパーストアに入ってから、出てくるまで、レジでの支払いの時に「ありがとう」と機械的に言葉を交わすだけです。このような状態で、子どもたちに食べることができるありがたみをどのように伝えて行けばいいのでしょう。

 最近よく見聞きする言葉に「食育」があります。子どもたちの問題行動や、生活習慣病の低年齢化が食事と関係があると考えられる様になり、安心安全の食べ物への関心ということでしょうか。私には三歳になる息子がいます。息子に、食事に興味を持たせるため、自然や、作物や、農家の人々に感謝する気持ちを忘れないために、私たち家族は、畑を借りて野菜の栽培を始めました。

 私が、食事に本当に気をつけなければいけないと思うようになったのは、きれいな形の野菜は育たないと知ったからです。レース編みのような白菜、形のふぞろいのきゅうり。とても店頭に並べられるものではありません。店頭に並んでいる野菜たちは、どれほどの農薬が使われているのでしょうか。農家の人たちはどれほど私たちの犠牲になっているのでしょうか。そして私たちの住んでいる大地はどれだけの負担を抱えているのでしょう。

 このままでは、私は子どもたちにごみ箱のようになってしまった地球を贈らなければなりません。子どもたちのそのまた子どもたちも、安心して生活を送ることができるよう、私たちが気づき、生活を変えてゆかなければならないと考えています。

 

●「脱コンビニ食大賞」バックナンバー

 第14回(2008年1月期) 

 「宇宙といのち」

 第13回(2003年11月期)

 「どうして、地元の野菜がスーパーに並ばないのでしょう」

 第12回(2003年10月期)

 「将来を考えると子どもが作れないんです」

 第11回(2003年 9月期)

 「いのちに向き合う時間を作りたい」

 第10回(2000年 1月期)

 「ほんものを見抜く目を、いまこそ養いたい!」

 第 9回(1999年12月期)

 いのちの持つ不思議さに、静かな感動を覚える

 第 8回(1998年 6月期)

 「一命を取り留めた、私の「大腸ガン」体験

 第 7回(1999年 5月期)

 「動物のいのち軽視は、人間の軽視ですね

 第 6回(1999年 2月期)

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 第 5回(1998年12月期)

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 第 4回(1998年 8月期)

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 第 3回(1998年 7月期)

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 第 2回(1998年 4月期)

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 第 1回(1998年 3月期)

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